【物化02】乙4によく出る物質│無料で学べる乙4

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今回は、危険物取扱者試験に当たり前のように出てくる物質を紹介します。

試験に直接出るわけではありませんが、知識があると理解も進むと思うので、コラム的に読んでください。

①酸素〔O2

酸素は空気に約21%含まれていてる、生命活動に必須の物質で、元素記号でO2と表せます。

危険物取扱者試験で酸素が重要な理由は、酸素がモノが燃えるときに必ず必要な物質だからです。

酸素〔O2〕もしくは化合物中の酸素が供給することで、モノを燃やすことができますし、反対に酸素源の供給を断てば、鎮火させることが可能になります。

酸素のない宇宙空間でロケットが炎を出して推進力を得られるのは、酸素供給源となる物質を地球から持って行っているからです。

このような酸素供給源となる物質で特に危険な物質を、消防法では第1類酸化性固体や第6類酸化性液体に指定しています。(第5類自己反応性物質に分類されることもある。)

ちなみに酸素〔O2〕自体は気体なので、消防法の危険物には指定されていません。

②有機化合物

炭素〔C〕を含む化合物を有機化合物1と言います。

危険物取扱者試験で有機化合物が頻出する理由は、有機化合物の多くが可燃性の物質だからです。

モノが燃えるのに必要な要素として、先ほど紹介した「酸素供給源」のほかに、「可燃物」と「点火源」があります。

この酸素供給源可燃物点火源の3つを燃焼の3要素と言います。

酸素供給源と同様に可燃物を取り除くと、鎮火させることができます。

このような可燃物となる物質で特に危険な物質を、消防法では第2類可燃性固体や、第4類引火性液体に指定しています。(第5類自己反応性物質に分類されることもある。)

第4類は「可燃性液体」ではない。
第2類危険物が「可燃性固体」なら、第4類危険物は「可燃性液体」じゃないの?と思った方は鋭いです。
実は、液体自体が燃えることはなく、液体表面に発生した可燃性の蒸気が燃えるのです。
これについては「燃焼の仕方」で学んでいきます。

③二酸化炭素〔CO2

有機化合物は炭素〔C〕を含むので、有機化合物が燃えると二酸化炭素〔CO2〕が発生します。

 C+ O2→CO2

呼吸に必要な酸素〔O2〕が減り、二酸化炭素が増えるので、火災現場では二酸化炭素中毒(≒窒息)になりやすいです。

有機化合物は水素〔H〕を含むことが多いので、その場合は
 2H2+ O2→2H2O
で、水〔H2O〕も同時に発生します。

また、酸素が不十分な条件だと、有毒な一酸化炭素〔CO〕が発生します。

 C+1/2 O2→CO

二酸化炭素は、化学的に不活性(=ほかの物質と反応しにくい)という性質があります。

④水〔H2O〕

水は最も身近な物質のひとつであり、普通火災2の消火に使われます。

これは、水が容易に手に入る物質であることに加え、水には比熱3や気化熱4が大きいと言う性質があり、これが消火に有効だからと言う理由もあります。

また、電気を通すという性質も今後重要になってきます。

実は純粋な水はほとんど電気を通さないのですが、一般的な環境に存在する水は地質中のカルシウムやマグネシウムなどが溶け込み、電気を通しやすくなっています。

  1. 例外として、二酸化炭素〔CO2〕や一酸化炭素〔CO〕、炭酸塩やシアン化合物は慣例上、無機化合物とされています。 ↩︎
  2. 木や布、紙などが燃えている火災を「普通火災」と言います。今後、「消火剤」の単元で詳しく学んでいきます。 ↩︎
  3. 比熱は「熱を受け入れる容量が大きさ」のことを言い、今後「熱量」の単元で詳しく学んでいきます。 ↩︎
  4. 気化熱は「液体が気体に状態変化するときに周囲から奪う熱のこと」であり、状態変化については次の単元「物質の変化」で学習します。 ↩︎

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この記事を書いた人

技術屋の30代。
仕事に関係ある資格から生活を豊かにする資格まで取得済。
いろいろな資格を取得してきた経験をもとに、資格取得のHow Toを発信中。